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マイナス13mmのレール幅で変わるサドルの世界

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自転車と向き合う時間が長くなるにつれ、自分で改善できることも多くあるが、単純な物欲ではなく、ここはこういう製品に換えた方がもっと効率的に筋肉を使えるだとか、痛くなりにくいとか、そういう気づきもあるはずだ。

サドル、ハンドル、ペダルは直接カラダと接触する重要3パーツ。
今回は、その『サドル』についての経験談と、チビノリダーや女性ライダーにオススメのナロウサーティーのサドルの話。

チビっ子にはオススメできないISPフレーム

ISPという言葉を聞いたことがあるだろうか?
インテグラル・シート・ポストの略で、フレームのシートチューブを極力サドル付近伸ばして軽量化させる目的だったり、カーボンシートピラーの強度に不安を覚えるメーカーの安全性への配慮だったり、エアロ化・差別化、思惑は様々だが、フレームのシートチューブ(BBからサドル方向に縦に伸びてるパイプ)がやたら長いヤツの総称だ(説明が雑w)

割と好んで人柱を引き受けたがる奇特な性格の私も、例に漏れなく、ISPのフレームを使っていたことがあるw
限界まで、そのISPをカットしていたが、もうあと2~3mmでいいからサドル高を下げたい。
だがそれ以上切れないというジレンマを抱え、股関節が悲鳴を上げていた。

当時165mmのシマノクランクを使っていたが、SUGINOからロード用の160mmクランクが出たので早速交換してみた。
クランクについては、話が長くなるので、またクランクの記事で詳しく書くが、クランクの短さによるデメリットではなく、コンパクトクランクアームに肉抜きの52Tのチェーンリングをつけたら剛性が足りなかったので、165mmのシマノクランクに戻した。
戻しただけでは何も解決を見ないので、同時にサドルを換えてみた。

サドル交換で激変

それまでいくつものサドルを試してきて、ようやくコレというのに辿り着いていたので、サドルを換えるというのは、とても勇気のいる決断だった。
だが、あと交換して改善を見込める箇所は、フレームかサドルかしかなかった。
当然、矛先は出費のデカいフレームではなく、サドルに向くのは自明の理。

しかし、普通の(43mmレール幅)サドルは、フライト、SLR、アスピデ、ストラーダ、コンコールライト、アリオネ、アリアンテと大体試している(どんだけーw)
そうなると基本構造の違う、ニュータイプ専用の新型しか無いわけだ(誰がニュータイプやねんw)。

そう、発売されて間もない、30mmレール幅を採用したナロウサーティーのサドルだ!
もう私の股関節の痛みを和らげてくれるヤツはコレしか無い。
私は最後の望みを託した。

OnByEsu(ワンバイエス)ナロウサーティー

大成功だった!
私と同じように悩みを持つライダーにうってつけのサドルだ!
『フォロー・ミー!』と叫びたい気持ちだったw

きっかけは、サドル高を下げることが不可能であったからだが、結果的に内股のスレも無くなり、よりスムーズにペダリングが出来るようになった。

ナロウサーティーの開発経緯や説明は、私の拙い文よりもメーカーカタログの方が良いと思うので引用する。

  • 2007 年、トップ選手から「もっとスムーズにペダリングを行えるサドルを…」と切実な要望を受けた・・・
  • 特に選手達は膝を締めた回転運動をすることが多く、ペダリングの度に内太腿がサドル側面に強く接触しス
    ムーズな回転を妨げるので尚更と言える。現状ではサドル側面のエッジやデザインによってレール自体にまで
    内太腿付近が引っかかるが如く強く接触している事も多い。股関節の狭い日本人では接触率も高い。
  • これらの問題点を解消し要求を満たすには、根本的にレールの幅そのものを変更せざるを得ない・・・とい
    う結論に達した。現代のほとんどのサドルレールの幅は43mm。・・・日本の競輪の世界には専用のシートポス
    トとサドルによる30mm レール幅の組み合わせ製品が存在する。究極の勝負師がそれを支える技術者と開発し
    た製品で、超一流のトラック選手達が使用している。この実績も後押しとなって、トラック競技以外でしかも
    ビギナークラスでも快適に回せて座れるサドルとシートポストを30mm レール幅で製品化することとなった。
  • 製作が進行するに従って、女性ライダーが同じような問題を感じていたこと、その問題を解消するために女
    性にも30mm レール幅が有効である事がわかってきた。更に、普段着でのパンツ( ジーンズなど) で乗るよう
    な場合にも有効である事がわかってきた。
  • 2009 年、遂に30mm シリーズを発売。その後レースシーンでも結果を積み重ね製品バリエーションも豊富
    に揃っている。
  • イタリアのサドルメーカーより独自のレールシステムと共に幅の狭いサドルが発表され、効果が実証される。
  • 2013 年 ナロウサーティーシステムの特許を取得。

東京サンエスカタログ2017より

マイナス13mmのレール幅で変わるサドルの世界

痛みやペダリング改善に、いきなりフレームの買い換えや、シマノ以外のクランクを試すことは、よほどの事情が無い限り難しいだろう。
だが、あなたが標準的なシートピラー径のフレーム(27.2mm径や31.6mm径)に乗っているならば、一番とっかかりやすいサドルの改善を試みることを勧める。

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