黎明期

学生時代は親戚にもらったものや、知人から中古で譲り受けた機材で興味本位にスタートした私のオーディオライフ。
社会人になり、最初に購入したのが、大阪日本橋にある河口無線に下取り品でおいてあったJBLのSVA2100という本来はシアター向けのスピーカーを購入。
でっけ~のが偉いと信じ、知識も経験も少なく、手に入れた感動が先行していた駆け出しのオーディオっ子。
何を聴いても、おぉぉぉ!すげぇぇ!そんなレベルからのスタートでしたw

 

それから足繁く河口無線やお隣のシマムセンに通ううちに、偏った知識と耳だけは肥えていきましたが、まだ自分の求める音がどんなもの、ライフスタイルに合うオーディオとはどんなものか等という考えは持てていませんでした。

 

その後、JBL S3100MK2に買い替えましたが、泥沼にハマることはご察しの通りですw
(今だったらもっと上手く扱うことができるんですが^^;)

インターネット時代、LINNとの出会い

個人がWEBページを開設するようになり、ショップや距離の垣根を越えた情報交換が活発な時代に突入します。
今私が最も大切にする、『ハイスピードな低音』の礎を築けたのは、「かるばどすほふ」というホームページに出会ったのがきっかけです。
今ではタダのオタクオヤジ(失礼w)ですが、当時の彼のオーディオに対する考えは、非常に斬新でセンセーショナルなものでした。
LINN製品に興味を抱いたのも彼の影響です。

 

丁度引越も立て続けにあった頃で、S3100Mk2を売却し、思い切って小型システムを導入しました。
最初のLINNシステムです。
『CLASSIK』というCDプレーヤーもFMトランシーバーもアンプもついているオールインワンモデルに、小型2wayのスピーカー『KATAN』を組み合わせました。

 

程なくスピーカーのネットワークを経由せず、予めユニットごとに分離された信号を、アンプから直接スピーカーユニットに出力できるLINNの独自システム『AKTIV』に至り、GENKI(CDP) ⇒ WAKONDA(PRE) ⇒ LK85(POWER) ⇒ KATAN という構成になります。

 

それなりの感動はありましたが、スピーカーの性能を最大限を引き出した分、ダイナミックレンジの不足を顕著に覚えるようになりました。
この頃から東京出張が多くなり、iPodに代表されるポータブルオーディオの音質が高くなりだした時期でしたので、そちらへの興味が高まり据え置きのオーディオシステムとは疎遠になっていきました。

 

しかしながらポータブルオーディオ漬けが功が奏し、正しい音の判断が身についてきました。

自分が求める音とは?

そんな日々を過ごしていた中、たまたま通りかかったヨドバシカメラのオーディオフロアでB&W 803SがMarantzのセパレートシステム(単独展示)で鳴っていました。
しかも、かかっていたアルバムが大好きな中島美嘉のSTARSでした。
聴き慣れたアルバムでしたので、音の違いはすぐにわかりました。

 

久々に聴くダイナミックレンジの広さとステレオ感が衝撃で、しばらくその場を動けませんでした。
そう!こんな音がイイんだ!と初めて自分の求める音を意識しました。
再び病気が疼きだしますwww

 

ですが、過去の経験から知恵はつけていたので、製品選びには慎重に時間をかけました。
気付けばショップとの付き合いも長いものになっていたので、購入前にプライベート試聴したり、お店から機材を借り、自宅での試聴も遠慮せずにできるようになっていました。

 

当時河口無線はJoshinの資本下にあり、Joshinから派遣されたスタッフのHさんが担当してくれました。
古い考えのオーディオショップのスタッフが多い中、Hさんは若く、新しいものへの順応も早かったので話が合いました。
バッファー機能を搭載したメリディアンやLINNのCDプレーヤー等を良いと共感してくれ、信頼関係を築くことができました。
丁度LINNのデジタルストリーミングプレーヤー『DS』デビューの年だったと思います。当時家庭用NASも良いものがあまり無く、アプリソフトも未成熟で、ALACフォーマットに非対応だったので見送りましたが。

 

そのような経験を経て、自分の求める音にはこんな機材が良いのではないか!?というのが段々わかるようになってきました。

 

試聴した中で今でも鮮明に覚えているのが、B&W 802Dは当然のことながら、Dynaudio Special 25です。
結局その時購入したのは、B&W 803S、TRIGONのプリとモノラルパワー、ESOTERICのCDプレーヤーでしたが、何故あの時スピーカーにSpecial 25を選ばなかったのか、今思い返すと不思議でなりません。
(きっとバイワイヤリングを試してみたかったのでしょうね)

 

時間をかけただけあって、ウーハーの制御や、システム全体に対する満足度は高かったのですが、今度は部屋の環境に苦しむことになります。

 

吸音パネルや拡散パネル、カーテンやラグ等出来る限りの対処はしましたが、
賃貸住宅であること、部屋の広さ、壁床天井の強度等、住宅環境が結局ネックなんじゃないかということに気づき、物事に対する執念はさておき、ことイチ機材に対する思いは割と熱しやすく冷めやすい性格なので(爆)2年足らずで本格オーディオシステムは全て売却し、PCオーディオとポータブルオーディオのみの生活をはじめました。

何事もバランスなのだよ明智君!

偉そうなことを言いますが、結局タイトル通り、何事もバランスなのだよ明智君!ですw

 

フロアスピーカーを鳴らすには、それなりのエアボリュームが必要ですし、効果が薄かったり、根拠の無いオカルトじみたアクセサリー製品に無駄にお金をかけたところで抜本的な解決には至りません。

 

こりゃー、中古マンションを購入しリノベーションするなり、一軒家を建てる際に電源含めトータルで考えたほうが、そこそこの製品でも良いパフォーマンスを得れるなとしみじみ思いました。

 

今ではLINNのスイッチング電源(※スイッチング電源の章を参照)は世代を重ね、かなり質の高いものになっていますし、Space Optimizationなる定在波に対する抜本的解決へのアプローチを試みた技術があるので、環境への苦労は大分緩和されますが、それでもオーディオの基本的な設置のノウハウが180度変わるわけではありません。
最新技術を活かしつつ、バランスを考え、どこにどう投資すれば効果的かを考える(相談する)必要があります。

 

日本ではショップが部屋の環境や図面まで見てくれることはほとんどありませんが、LINN製品を積極的に販売している東京のサウンドクリエイトでは10年程前から取り組んでいますし、また関西には、オーディオ業界では極めて若く、柔軟な思考の持ち主で、PCやネットワークの知識も豊富なGLANCEの松崎氏がいます。

 

僕も早くにこんな方に出会っていれば無駄な投資をせずにここまで辿り着けたかもと思うと若干溜息が出ますがw今がベストとは思いませんが、私や松崎氏が取り組んでいる事は、間違いなく今後世界のスタンダードになるでしょう。

ついに家を建てる

建築の詳しいことは『新築・リノベーション時にやっておきたいこと』の項目に記述しますので、ここではかいつまんで書かせていただきます。

 

エアボリュームの確保、反射音の管理のしやすいシンプルな間取り、床・壁・天井の強度、綿織物の壁紙の採用、十分な電力とオーディオに配慮した配電盤の割り当て、この5点に重点をおき設計・建築していただきました。

 

設計の打ち合わせ段階の丁度良いタイミングで、LINNのデジタルストリーミングプレイヤー(DSM)に低域の定在波を軽減する『Space Optimisation』が採用される事が決まり、私はとてもラッキーでした。
スピーカー設置のセオリーでは、スピーカーの背面・側面の壁から1m前後放して置くのが理想とされています。
LINNのスピーカーはモニタースピーカーではないホームオーディオ専用設計なので、割と背面の壁に近くても大丈夫ですが、それでも『Space Optimisation』の有無で、設置の自由度は段違いです。

 

リビングにスマートに設置でき、且つ理想の音を実現するために、全ての機材をLINNで統一しました。
スピーカー:AKUBARIK-P、プレイヤー:AKURATE DSM/2、アンプ:MAJIK 5100(x2)でAKTIV駆動しています。

 

背面の壁からスピーカーの後ろまでの距離は僅か20cmですが、『Space Optimisation』機能をオフにした理想の設置よりも定在波の発生を軽減でき、濁りの無い音が届いています。

Audio & Home Theater