はじめに

CDはレコード盤(LPと表す)に次ぐ長寿命な音楽配信メディアとして、今でも使われていますが、容量制限のために人が聞こえるとされる音のみがフィルターにかけられ、デジタル信号として収められています。

 

メディアの利便性としてメンテナンス不要、コンパクトであることから重宝されているCDですが、全ての音がアナログで収められたLPと同等の感動を得ることが難しいとされてきました。

PCオーディオやポータブルプレーヤーが世界を変える

ハイレゾ音源というCD規格のサンプリング周波数 / 量子化ビット数に規制されないデータをインターネット経由でダウンロードし、再生するのが、今ではデジタルで最も優れた音源とされています(PCM方式 vs DSD方式は別項目で)。

 

しかしながら、ハイレゾ音源の配信もまだまだメジャーになりきれていません。
全ての音楽がハイレゾ配信されているわけではないですし、ダウンロードに新たなコストも発生し(しかも高額)、過去に収集したCDも無駄になることから、所有のCDからデジタルデータをパソコンで取り込み、パソコンや音楽プレーヤーが再生可能なフォーマットに変換するのが一般的です。

 

ここで発見がありました。
同じCDを、CDプレーヤーでリアルタイム再生するよりも、取り込んだデータを再生するほうが音が良かったのです。
単純に入っていない音があるという考え方が覆された瞬間でした。

 

結果だけを知ってしまうと、ありがたみがないので、少しばかり過程をご説明したいと思います。

サーボとジッター

CDの中に入っている本来のデータどおりに、音として忠実に再現することは現実的に不可能ですが、可能な限り再現性を高めることにより、良い音として再生・認識できるわけです。

 

なぜCDプレーヤーでリアルタイム再生するよりも、取り込んだデータを再生する方が音が良いのか、その理由を簡単に解説します。

 

その前にサーボとジッターについての説明を。

サーボとは、サーボ機構のことで、『物体の位置、方位、姿勢などを制御量として、目標値に追従するように自動で作動する機構。自動制御装置』(wikipediaより)のことです。

ジッターとは、『電気通信などの分野において、時間軸方向での信号波形の揺らぎ自身や、その揺らぎによって生じる映像などの乱れのことを指す。「いらいらする」という意味の英語”Jitter”に由来する。』(Wikipediaより)です。

LPは一定の速度で回転しており、トーンアームも自分で動いているわけではなく、ただ溝に沿って動いているだけなので、サーボ機構は必要ありません。
一方CDは回転速度をコントロールしてデータを読んでいます。
また、収録データのトラックに対し、レーザーピックアップ装置を自動追従させる必要性もあります。
それらを含め、3つのサーボと送り制御で正しくデータを読み出しています。

 

このサーボによる電流の乱れに起因し、ランダムジッターが生じます。
勿論ハイエンドのCDプレーヤーを生産するメーカーは工夫を凝らしていますが、根本的に無くすことはできない問題です。

 

リアルタイムに再生をしなければ、サーボに起因するランダムジッターを大掛かりなことをせずに軽減できます。
パソコンのCD-Rで読みだしたデータをストレージに保存すれば良いのです。

 

単純にデータを抽出する作業と、再生する作業を分けてしまえば良いだけのことだったのです。
技術の発展がそこには常について回りますが、ここに辿りつくまでに、どれほどのオーディオファイルが腐心し、メーカーが苦労と努力を重ねたことでしょう。
それを思うと、今日の技術に感謝せずには過ごせませんw

デジタルとPC自体のノイズ問題

いくらデータの抽出と再生の作業を分ければ良いとはいえ、PCから直接デジタルデータを送っても、今度は他の問題に直面します。
それらは、やり方を間違えれば、CDプレーヤーよりも粗悪な音を奏でてしまう可能性をも含んでいる大問題でした。

 

解決の糸口にはデジタルポータブルオーディオプレーヤーの存在がありました。

 

次章へつづく。

Audio & Home Theater